獺祭が日本酒のランキング1位になる所以とは?

日本酒の常識をぶち壊した銘酒「獺祭」

 

プレミアムな日本酒の代名詞として知られ、今や世界中で称賛と喝采を浴びる獺祭。

 

洗練された華やかな香り、そして雑味を感じさせないクリアですっきりとした味わいが、日本酒に距離を置いていた若い女性の支持を獲得

 

それが昨今の日本酒ブームの立役者となり、現在は世界各国で大争奪戦状態。

オバマ大統領が来日した際、阿部首相がプレゼントしたり、

 

フレンチの神様ジョエル・ロブションが「一瞬で恋に落ちた」と絶賛したり何かと話題なのです。

 

 

 

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【獺祭の秘密】

ワインや焼酎に押され、近年縮小の一途をたどっていた日本酒市場。

 

そんな中、獺祭は発売以来驚異的なスピードで売り上げを伸ばしているのです。

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ではなぜ獺祭は常識を覆すことができたのか
その秘密に迫ってみます。

 

杜氏のいない酒造り

wikipedia:杜氏

杜氏とは職人たちを束ね、品質を管理する酒造りの要です。

 

そのセンスと経験が味を左右するとまで言われています。

しかし、1999年に、獺祭を製造する旭酒造は経営難に陥り、杜氏が去ってしまいました。

「だったら自分たちだけで作れば良い」と杜氏に頼らない酒造りのシステムを確立したのです。

 

 

 

常識を覆す、杜氏なしの酒造りとは!?


製造工程

1.精米=玄米を削る

酒造りにおける最初の工程が、精米です。

 

獺祭には兵庫県産の山田錦を使用。

 

日本酒の雑味の元となる米の外側を少しずつ削っていきます。

 

これが磨きといわれる精米作業。

 

磨くほどすっきりとした味わいなのですが割れ安くなり、それも雑味の元になります。

 

こうした米の磨き具合によって日本酒はランク分けされます。

 

まず米だけで作られる酒を純米酒と呼び、

中でも米を贅沢にも50パーセント以上磨いて作った酒を純米大吟醸酒といいます。

獺祭を作っている旭酒造が作るお酒のほとんどがこの純米大吟醸酒です。

 

例えば【獺祭 純米大吟醸磨き2割3分】というのは米を23パーセントまで削ったお酒なのです。

 

 

 ちなみに磨き具合によって米の見た目はこんなにも変わります。

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2.洗米

洗米を始めると米が水分を吸収するため米の状態により秒単位で調整します。

なので工場の中にはあちらこちらに時計が設置されていて、従業員が秒単位で動いているんです。

 

 

3.水分調整

その後、麹室(こうじむろ)と呼ばれる菌が繁殖しやすい温度、38度に保たれた部屋に運ばれ、蒸した米を人の手で薄く広げ水分を飛ばして行きます。

 

通常その水分量は杜氏の手の感覚のみで判断するのですが、

獺祭は米を広げた台自体が大きな計りになっていて、それによって水分量を調節しています。

このように本来、ベテランの杜氏の感に頼っていた作業を全て数値化し、共有することで、若手だけでも作業進められるようになったのだそうです。

また昨今の需要により仕込み本数が急増。

通常10年以上かけて仕込む本数を1年でこなすため若手もベテラン並みの経験を詰めるのだとか。

 

 

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4.発酵

 

続いては米の発酵を促す種麹(たねこうじ)を米にふりかけていく工程です。

 

これも本来杜氏が行なう作業ですが、獺祭は社員が全て行なっています。

その後タンクに移し、一定の温度で発酵させるのですが、

その発酵の進行具合に合わせて0.1度単位で調整するのだそうです。

いくつもある発酵タンクのアルコール度数を毎日数値化し、

タンクごとに差が生まれないように微妙な違いを修正しながら理想の獺祭に近づきます。

こうした独自のシステムこそが獺祭が常識を壊したと言われる所以です。

感に頼らず数値化することで一つ一つの作業を確実なものとし高いクオリティーを維持しているのです。

 

5、しぼり

タンクの中でお酒に変わりつつあるお米を含んだもろみをゆっくりと圧縮し、

しぼっていきます。すると無色透明の液体になりますそれが獺祭です。

6、瓶詰め

こうしていくつもの工程を経て出来上がった獺祭を瓶に詰めれば完成です。

 

旭酒造はこのシステムを全て公開しています。

 

社長曰く、『真似されても、それに負けるようなら将来はない』との事です。

旭酒造自慢の獺祭は、それぞれの味の好みで選ぶも良し。

料理ごとに精米具合を変えて合わせるも良し。

ちなみに獺祭シリーズの最高峰はなんと1本30,000円以上もするんだそうです。

 

安倍首相がオバマ大統領ににプレゼントしたお酒がこれです。

とても高価なお酒なのでここまでは手が出せませんが、

 

 まずはこれで飲み比べから始めてみるのもいいかもしれませんね。

乗るしかない。このビッグウェーブに。